皆さん、身体の冷え対策は万全ですか?身体を冷やさないように気をつけているはずなのに、いつも手足が冷えきっていて、つらい・だるい・眠れない…。
そんな「冷え性」の悩みを抱えている人は、女性の8割、男性でも半数近くにのぼるという調査結果も。(リンナイ調べ)
徹底的な対策のポイントを紹介します。
手足の冷えを感じたら、まず温めるのは首元
冷え性はそれだけでも十分つらい症状に違いありませんが、他のさまざまな不調を引き起こすきっかけにもなり得ます。たとえば、足先が冷えている人では、頭痛・腰痛・不眠などの身体の症状を感じやすいということがアンケートからわかっています。
とくに手足の冷えによる不眠の悩みは深刻で、手足が気になってなかなか眠ることができなかったり、朝方の冷え込みによって早くから目が覚めてしまったりと睡眠時間が短く、さらに不規則になってしまい、1日中体のだるさを引きずってしまうという人もいるようです。
どうして身体が冷えてしまうのでしょうか。もっとも冷えを感じやすい足先に注目してみると、足の先というのは多くの熱を作り出している身体の中心から一番遠いところにあるためただでさえ体温が下がりやすい部分です。
また、足先は比較的細くてでこぼこしている部分でもあるので表面積が広く、熱が逃げやすい場所でもあります。
このため、外気温が下がり身体全体が寒さを感じるようになると、生命活動により大切な身体の中心の熱を守るため、手足の先では血流を減少させて熱を逃がさないような仕組みになっています。足先は真っ先に冷えの症状を感じやすい部分となっているのです。
身体の熱を逃がさず、手足の血流の減少を食い止めることができれば手先や足先の冷えの軽減にもつながります。
まず大切なのが太い動脈が身体の表面近くを通っていて熱が逃げやすい首筋。マフラーを巻いたり、襟をしっかり閉じたりすることで首周りだけではなく、全身の冷えを防ぐことになります。
また、カイロなどで身体を温めたいときには、手先足先よりも、もっと身体の中心に近い背中や腹回りの下着に貼るようにした方が、末端の血流減少を軽減できて効果的。中心部に熱を伝えることでもう十分温まったと錯覚し、末端の血管が開いていくのです。
3大原則で冷え性対策を
良く知られているように、冷えの症状は生活習慣とも密接に関わっています。中でもやはり大きな影響を与えているのが、体格・睡眠・食生活。
体格は熱の逃げやすさに、睡眠は体温周期に、食生活は熱を生み出すことに、それぞれ直接関わって、冷え性の大きな要因を占めているのです。
対策を始めるのなら、まずはこの3つを管理する3大原則から始めるといいでしょう。
原則1 痩せすぎは要対策
皮下脂肪は熱を通しにくいため、断熱材として働くことがよく知られていますね。実際、大学などで行われている調査では、BMI 20未満の人で冷えを感じやすいなど、痩せ型の人は冷え性の程度が重い向があります。
日本人の適正体重はBMI 22 ~24。身長160 cmの人なら体重56.3 kg~61.4 kgということになります。意外に重たく感じるかもしれませんが、もっとも健康リスクが少ないのがこの範囲で、痩せすぎも太りすぎと同様に危ないことなのです。
原則2 睡眠管理で体温周期を整える
冷え症対策で考えておいたほうがいいのが体温周期です。生活リズムとも言いますが、自律神経系のバランスや、ホルモンバランスは1日を通して周期的に変動していて、そのバランスは体温にも大きな影響を与えています。
このリズムにもっとも大きな影響を与えているのが睡眠のリズムです。睡眠時間は6時間から8時間は確保して、起床時間をそろえるようにしましょう。
原則3 栄養バランスを守って上手に発熱
若い女性を対象としたアンケートでは、麺類をよく食べるという人や、野菜ばかりを多く食べるという人に冷え性が多かったという結果が出ています。どちらもタンパク質や脂質といった熱を生み出すために必要なエネルギー源が不足してしまった結果だと考えられます。
冷え性を防ぐためには一つの食品に偏るのではなく、炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルをバランスよく確保することが大切です。
さらに、「晩御飯だけちゃんと食べる」というような食べ方をしていると、それ以外の時間帯では栄養バランスが崩れていることになります。朝・昼・晩、それぞれの食事内容を整えるように心がけましょう。
エアコン・床暖房をうまく活用しましょう
身体の冷えには悩んでいても、光熱費を心配してエアコンや暖房器具の使用を必要最小限にとどめようとしている人も少なくありません。
とくにエアコンは光熱費が高いという認識が定着しています。ところが、最近の機種では実はエアコンの光熱費はストーブなどとあまり変わらない水準にあります。
睡眠中も温度を控えめにして使い続けるなどの使用法は効果的なので、ぜひ積極的に使ってもらいたいと思います。
徹底的な対策で、寒い冬を乗り切りましょう。