足の付け根に詰まったような間隔があって動かすと痛む。ときどき腰まで痛くなる…。このような不調は股関節の硬さに原因があるケースがあります。
股関節は本来とても可動域が大きな関節ですが、座りっぱなしの時間が長く普段から動かす機会が少ないと柔軟性が失われてしまいます。
ストレッチで滑らかに動く股関節を取り戻しましょう。
股関節の動きをチェック
股関節は脚の付け根にある関節で、上半身と下半身を結ぶポイント。
本来ならば前後左右に大きく動かせ、歩いたり、しゃがんだり、立ち上がったりするときに大活躍する関節です。
それだけに、股関節にトラブルがあると日常生活のあらゆる動作に痛みを感じるようになってしまいます。
股関節のトラブルは大きく分けて2種類あり、関節の軟骨自体が変形してしまうケースと周りの筋肉が硬くなってしまうことで痛みが発生するケースに分けられます。
このうち、座りっぱなしの時間が長い人が多くなったことで増えているのが周囲の筋肉に原因があるケースです。
股関節は周りの複数の筋肉よって支えられていますが、腰の筋肉が硬くなっても、太ももの筋肉が硬くなっても可動域が狭まりやすくなってしまいます。
とくに直接痛みを感じやすいのが腸腰筋と呼ばれる股関節の直上にある筋肉で、硬くなるとキリキリとした痛みを生じることがあります。
あなたの股関節は柔軟性を維持できているでしょうか。ストレッチを始める前にまずは今の方さを確かめてみましょう。
仰向けに寝転がって膝をそろえて立てます。そこから両膝をゆっくり横に倒していきましょう。
このとき、肩や肩甲骨を床に突けたまま倒すことができたなら股関節を滑らかに動かすことができています。
一方、膝につられて肩が浮いてしまう人は柔軟性が低いようです。カチカチに固まった股関節周りの筋肉をスムーズに動かせるようにするにはストレッチが効果的。
ここから紹介する「股関節ストレッチ」を実践してみましょう。
滑らかに動くようになる、股関節ストレッチ
パカパカ体操
まずはウォーミングアップとして負荷の少ない運動から始めましょう。
楽に座れる椅子に腰掛けて、つま先を正面に向けましょう。
そこから、リズム良く膝を開いたり、閉じたりを繰り返しましょう。
足の裏が離れるほど勢いよく行う必要はなく、楽なスピードで動かすことがポイントです。
10回ほど繰り返します。
膝をねじるストレッチ
ウォーミングアップの次はいよいよ股関節のストレッチです。
広いスペースに仰向けに寝転がります。
左の足先をそらせて立たせ、体の内側へねじっていきます。
膝の内側を床に近づけるようにして股関節からねじりましょう。
このとき、腰や背中が浮いてしまっても構いません。
ねじり終わったら顔を左側に向けて、背中を弓なりに反らせます。
同じ動作を反対側もあわせて3回繰り返しましょう。
ペタン座り
続いて膝を伸ばして床にぺたりと座ります。
脚を無理のない範囲で広げて背筋を伸ばし上半身を前に倒します。
ポイントは膝を伸ばしきることと、かかとを真上に向けること。
痛気持ちいいと感じるところで15秒キープしましょう。
四股
四股も股関節を刺激するのに効果的な運動。
両足を大きく開いて腰を深く下ろして四股のポーズをとりましょう。
そこから両膝を肘で押し、さらに膝を開いて股関節をストレッチしましょう。
こちらも痛気持ちいいと感じるところで15秒キープしましょう。
四股は少し負荷が大きめなので、股関節の痛みが強い人はやらないようにしてください。
また、やっている最中に痛みが出てきた人はすぐに中止してください。
毎日続けることが大切です!
股関節だけではなくどのストレッチにもいえることですが、ストレッチはそれぞれ正しい動作でやることがとても大切です。
伸ばしたいところを正しく伸ばせていないのに一生懸命続けていてもほとんど意味がありません。
身体が硬い人は股関節の使い方がそもそも正しくなく、腰に負担がかかりやすい姿勢を続けてしまっているというケースがあります。
ペタン座りやY字バランスは身体が柔らかいことの証明ですが、同時に股関節の使い方が上手くないとできない動作です。
まずはペタン座りが正しくできるようになることを目標に据えるといいでしょう。
また、毎日続けることも大切です。
ストレッチは正しいやり方でやればやるだけ効果が出てきます。
ところが、少し身体が柔らかくなってきても、休めばそれだけ後戻りしてしまいます。
長続きさせるために、お風呂の後に絶対行うようにするなど、毎日習慣と結びつけて続けるようにしましょう。